黒部峡谷:秋の下の廊下(旧日電歩道)を行く《U》

山行日 2007.10.13-14
山域 北アルプス:富山県
コース 10.13:黒部ダム(60分)内蔵助谷出合(110分)別山谷出合(90分)十字峡
       十字峡(50分)S字峡(30分)仙人ダム(60分)阿曽原温泉小屋
10.14:阿曽原温泉小屋(90分)折尾滝(50分)大太鼓(20分)志合谷(110分)欅平
標高差 −150m +150m
総歩行時間 約4.5h+約3.0h(含む休憩)
   
十字峡の吊橋
剱沢の激流が
未だ続く旧日電歩道

此処、十字峡で今日の行程の半分を少し過ぎたでしょうか?で、十字峡の眺めを堪能しつつ
広場で少し遅めの昼食を摂ります。20分程経った頃、団体さんが動き始める様相?で、急いで
出発しましょう^^)先ずは剱沢に架かる吊橋を渡りますが、この橋は一人づつ渡りましょう、と

高度感タップリ
遠くに巨大なトンネル坑が
半月峡を歩く登山者

注意書きが!!幅40cm位の渡し板の隙間からは剱沢の激流が丸見え^^)この剱沢を遡れば
あの、幻の滝"剱大滝"が在ります。吊橋を渡り少し登り返せば又、高度感の有る水平道。
やがて作郎谷出合。この辺り川面からは高さ100mを越えている?こう、高度感のある道を

黒四ダムの送電口
東谷吊橋が
東谷吊橋

歩き続けていると、高さへの恐怖心が麻痺しそう^^)やがて谷向こうに白く巨大なトンネル坑が
見え送電線が伸びてる。如何やら黒四ダムの送電口の様だ。この辺りで左へ大きく曲がると
半月峡。見事な大へつりを通過し、半月沢を回り込み振り返ると先程の団体さんが通過中。

半月峡の標識と大へつり
半月峡
S字峡
半月峡の標識と大へつり 半月峡 S字峡

半月峡を過ぎ黒四ダムの送電口が間近に迫って来るとS字峡だ。川床には巨大な石塊!?
改めて黒部川の凄まじさを実感^^)その先木々の向こうに長い吊橋が見えて来ました。そう
あれが東谷吊橋。吊橋に向けて10分以上も急下降^^)早速渡りますが、ユラリ・ユラ〜リと

黒四ダムの送電口と東谷吊橋
黒四ダムの送電口と東谷吊橋

揺れ動くし、隙間から見える黒部川川面迄の高さに、ヒヤリ冷や汗が・・・ヒョットすると今日の
行程中、此処が当方にとって一番の難所だったかも^^)一目散に渡り切り堰堤を登ると車道に
出ました。此処迄来ると今宵の宿、阿曽原温泉小屋迄コースタイムで1時間半程。この調子

シェルターを抜けて
仙人ダム
トロッコの駅舎

だと、午後4時頃には到着出来そう。で、少しの休憩を挟んで先に進みます。シェルター状の
トンネルを抜けるとエメラルドグリーンの水を湛えた仙人ダム。登山道はこのダムの上を横断し
対岸に渡ります。ダムから下流を見ると鉄橋が見えますが、如何やら関電トロッコ用の駅舎?

分岐標識
管理所入口
建屋の中を

渡り切ると何と登山道はダム管理所に続いていますね^^)扉を開けて中に入ると左手にトイレ
登山道は右手に続いています。狭い隧道の中を進むと突然!!踏切の警報音!?立ち止まると
左から可愛い作業用トロッコ列車が通過、止まった列車から作業員が数名降りて来ました。

ほの暗い隧道を
作業用トロッコ列車
高熱隧道

タイミング良く珍しい物を見せて貰いましたよ^^)振り返れば熱風と蒸気が感じられ、此処が
彼の小説"高熱隧道(吉村昭著)"の舞台の様です。当時は岩盤の表面温度が160℃を超え
黒部川からポンプアップした冷水を、ホースで岩盤にかけながら掘削したと言われる難所。

権現峠
樹林の中を
漸く小屋が

当時、多くの作業員が犠牲になった場所でもある。隧道を抜けると関電人見平宿舎。
宿舎横を通過し、少し回り込むと急な斜面!?此れを登り返さないと水平道には戻れ
ませんが、此処に来ての、この登り返しはキツイ^^)漸く水平道に戻り樹林の中に続く

賑わう小屋:ike氏提供
テント場
テント場から小屋を:ike氏提供

道を進むと権現峠。短いトンネルを潜ります。足下の黒部川は樹林に覆われ見えない。
やがて仙人峠への道を分けると、阿曽原温泉小屋へ急降下。苔生した滑り易い道を
慎重に下ります。15分も下ったでしょうか?やっと阿曽原温泉小屋に辿り着きました。

マイテント:ike氏提供
温泉代わりの沸かし風呂:ike氏提供
マイテント 温泉代わりの沸かし風呂

既に小屋前は登山者で溢れています。聞くと予約客だけで130人以上、未だ続々と
遣って来ます^^)テント場の料金を支払い温泉に浸かろうと聞くと、何と今冬の雪崩で
浴槽が潰れてしまったそう。仕方なく代わりの沸かし湯に入り早めの就寝とします。何せ
此れだけの登山者。明日のトロッコに乗るには欅平に10時迄に着かないとダメだとか^^)
   
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